ビジネス
2017.03.29

不二化成品、サイン看板、コルトン向けLED面発光光源を開発

各種塗料を販売する専門商社の不二化成品は、LED薄型面発光照明「LUMICS Panel」を開発した(図1)。LUMICS Panelでは450mm角(最大)のシートの上に144個のLED素子が等間隔に配列されている。LUMICS Panelを使えば、サイン看板の厚さを50mmと従来よりも1/3~1/4に薄型化できる。設置されるサイン看板、コルトンBOXなど、薄さが求められる内照式看板に最適なデバイスである。

一般的なサイン看板に使用される光源はまだ蛍光灯が多い。蛍光灯を使った場合、蛍光灯を収めるフレームだけで厚さは50mm程度ある。サイン看板全体では150~200mmとさらに厚くなる。サイン看板を薄型化しようと蛍光灯と表示面を近づけると、蛍光灯のラインが表示面にはっきり現れ、明るさの均一性が失われる。蛍光灯の消費電力は大きく、発熱の問題も生じる。こうした従来の蛍光灯の課題を解決するためLEDを使用した光源がサイン看板に使用される。LUMICS Panelの最大の特徴は保護等級IP58(防塵、防水)で防水性能は最高等級を取得しており屋外での使用に適しているものである。
また、LUMICS Panelには二つのタイプがある。450mmタイプと300mmタイプである。それぞれ幅を変えた12列、6列、5列、4列、3列、2列の6種類の機種がある。駆動電圧はDC48V。面積最大の450mmタイプ12列の製品でも消費電力は11.52Wと低い。

図1●450mm、300mmタイプのLED薄型面発光照明「LUMICS Panel」
図1●450mm、300mmタイプのLED薄型面発光照明「LUMICS Panel」
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LUMICS Panelは3層構造になっている(図2)。プリント配線が印刷されているPETフィルム基板の上に12×12個のLED素子と定電流回路が実装され、そのPET基板を覆う上層のカバーフィルムとPET基板を支える下層のアルミ板から成る。カバーフィルムはラミネート加工のように真空引き加工を施し、PET基板に密着させている。このためLUMICS Panelには高い防塵性と防水性がある。

屋外のさまざまな環境に設置されるサイン看板に使用しても、その環境に十分耐えられる性能を備えている。ちなみに「サイン看板に使用するLED素子を使ったデバイスはほかにもあるが、防水性で8等級を取得しているのはLUMICS Panelだけである」と、LUMICS Panelの開発・製造を担当する不二化成品新規事業推進本部スペース・ソリューション部執行役員副本部長松永弘康氏は説明する。

LUMICS Panelは施工性にも優れる。シートを並べるだけで明るさのムラがないサイン看板を簡単に製作できる。また、フレキシブルで曲げることも可能だ。

図2●LUMICS Panelの構造
図2●LUMICS Panelの構造

LUMICS Panelは独自の付加価値を生み出すことが狙い

写真●不二化成品代表取締役社長栁田一男氏(中央)、開発・製造を担当する新規事業推進本部スペース・ソリューション部執行役員副本部長松永弘康氏(左)、新事業推進本部取締役部長小和田正男氏(右)
写真●不二化成品代表取締役社長栁田一男氏(中央)、開発・製造を担当する新規事業推進本部スペース・ソリューション部執行役員副本部長松永弘康氏(左)、新事業推進本部取締役部長小和田正男氏(右)

商社である不二化成品がLUMICS Panelを製造・販売するキッカケは、LUMICS Panelを開発した顧客企業との協業だった。「協業を始めた当時は、サイン看板の光源は蛍光灯や白熱電球だった。それがLEDに変わり始めた時期だった」と松永氏は振り返る。その後、協業企業から製造を含むLUMICS Panelの事業を不二化成品が引き継いだ。なぜ商社である不二化成品が製造業を始めたのか。「元々うちは商社であるが、商品を販売するだけでは我々独自の付加価値を生み出すことは難しい。川上に近いところのビジネスにシフトすることが必要だとの認識は以前からあった」と、不二化成品代表取締役社長栁田一男氏は語る。

LUMICS Panelの販売当初、東京ビックサイトで開催された展示会に製品を出展した。LEDが普及し始めた時期でもあり、非常に多くの来場者が訪れ、大きなインパクトがあった。しかし、LUMICS Panelの売上を伸ばすには販売ネットワークが不可欠だった。そこで不二化成品は、国内の主要な有力販売店と代理店契約を結んだ。ところが、「我々が満足するほど販売量が伸びなかった。その結果、独自の販売ルートも開拓することになった」と松永氏は言う。

そこで始めたのが、サイン看板の設計業者への売り込みである。LUMICS Panelがサイン看板の設計図面にスペックインされれば、看板業者や施工業者から問い合わせが入る。大手ゼネコンにも営業をかけるため2014年、東京に営業所を開設した。こうした活動の甲斐あって、現在、商業施設の壁面や天井、床のサイン看板、駅構内や高速道路などのサイン看板にLUMICS Panelが採用されている(図3)。

図3●LUMICS Panelの採用事例
図3●LUMICS Panelの採用事例

オリンピック開催の2020年に向けLUMICS事業を4倍に拡大へ

LUMICSシリーズにはこのほか、事務所や店舗の蛍光灯に代わる直管型LEDランプ、体育館の天井等に取り付けられる高天井用LED照明、店舗などのダウンライトの特殊照明用LEDがある(図4)。「われわれは製品販売に加えてサイン工事の施工管理から内装工事の施工管理まで、トータルソリューションとしてLUMICS事業を発展させていく考えだ。すでにその体制は整って来ており、より一層の拡販に向けて注力して行く」と新事業推進本部取締役部長小和田正男氏は言う。

LUMICSシリーズに期待をかける栁田氏は「LUMICSの付加価値を強化し、オリンピックが開催される2020年に向けてLUMICSシリーズの売上をいまの4倍に増やしていきたい」と今後の抱負を語る。

図4●LUMICSシリーズの製品
図4●LUMICSシリーズの製品
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