ビジネス
2018.09.04

平垣製作所、宇宙から医療へ
4社で医療機器ものづくり団体 協同組合SPメディカルクラスターを設立(1/2)

「医療機器ものづくりと言えば静岡と言われるようにしたい」。医療機器製造に取り組む協同組合SPメディカルクラスター理事長で、精密部品加工をコア事業として行っている平垣製作所代表取締役社長平垣徳之氏は力強くこう語る。

SPメディカルクラスター(静岡医療機器要素部品生産技術協同組合)は、平垣製作所、精密溶接・レーザー加工の岩倉溶接工業所、精密板金加工の山崎製作所、3Dデータ・モデル製造のエクタスの4社が共同で2018年4月に設立した協同組合(図1)である。命を守る医療機器の製造に必要な職人技術の継承が難しくなる中、メイドインジャパンの品質を維持するために高度な部品加工技術を持つ中堅企業が結集した。SPメディカルクラスターは、すでに内視鏡部品や手術補助機、鉗子などの鋼製小物(図2)を共同で製造している。

「我々の目標は海外製品のメイドインジャパン化です。将来的には、様々な医療機器製造ができる団体を目指したい」と平垣氏は言う。現在同氏は48歳で、中堅企業の立場から過去の日本のものづくり産業の衰退を目の当たりにしてきた。「平垣製作所は規模の小さな会社ですが、日本の物づくり業として何かできないかと考え続けてきました」と平垣氏は言う。その一つの答えが医療機器のものづくり企業連携だった。

図1●SPメディカルクラスターのロゴとメンバー企業
図1●SPメディカルクラスターのロゴとメンバー企業
図2●SPメディカルクラスターが製造してきた診察・手術用の医療器具
図2●SPメディカルクラスターが製造してきた診察・手術用の医療器具

「本音で話し合える仲間でなければ企業連携はできません」

平垣製作所は1969年創業で、旋盤加工により丸物形状や薄肉円形形状などの精密機器部品を製造してきた。主に産業用ロボットや家電試作、射出成型機、工作機械、船舶向けが中心だった。日本メーカーの切削部品には高い精度が求められ、QCDのバランスが問われる。このため同社の旋盤加工は様々な顧客によって特化した技術として磨かれてきた。平垣氏が平垣製作所の2代目社長に就任したのは2004年である。同氏は、自社技術だけでなくアッセンブリなど一括受注体制等、もっと付加価値の高い製品を製造したいと考えるようになっていった。付加価値の高い製品として同氏がターゲットに選んだのが医療機器である。

平垣氏の中には宇宙産業、航空機産業、医療機器産業、検査機器産業といった高付加価値製品を手掛けたいという目標があった。同氏は2006年頃、先輩から宇宙産業の部品を手掛けないかと誘われた。当初は自社レベルではとても出来る製品ではなかったが、自社の技術力を発展させるチャンスであり、この機会にかけようと考え、宇宙産業への参入を決断した。

宇宙産業への進出がきっかけとなり、平垣製作所は次の段階へと進んでいく。「10年くらい前、宇宙産業に誘ってくれた先輩がお前とは下請けとしてではなく、横で話がしたいと言ってくれました」(平垣氏)。その一言が平垣氏に、予てから目標にしていた医療機器への進出を決意させた。こうして平垣製作所は2012年、医療機器へと事業を拡大していった。

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