ビジネス
2016.10.27

杉本金属工業、スズキの自動車部品金属プレス加工で
培った技術を武器に新規顧客開拓へ(2/2)

異業種、異素材への挑戦

杉本氏が次に狙っているのが自動車部品以外の新分野への進出だ。現在製造している家電向け製品は、三菱電機製エアコンのキャビネットやセパレータ、バックパネルである。家電製品に次いで杉本氏が有望視しているのが、システムキッチン向けの部品である。「システムキッチンにはステンレスが使用され、鉄材が使われているようには見えないが、土台部分に固定する止め金に鉄材が使用されている。まだ結果は出ていないが、見積依頼が来ている」と杉本氏は言う。このほか、鉄道業界にも営業活動を展開している。

杉本金属工業が得意とするのはハイテン材の金属プレス加工である。アルミやステンレスのプレス加工の経験はまだないが、過去の経験や前例にとらわれず、様々な素材、様々な分野への挑戦を続けていく。

海外進出

杉本氏が3代目として社長に就任したのは2010年。2011年に新社長として大きな決断をした。杉本金属工業の独自判断によるタイへの工場進出である。「リーマンショック後の厳しい経営環境の中、日本国内に留まっているだけでは生き残れない。いまが海外進出の最後のチャンスである」と杉本氏は海外進出を決断した。主要顧客であるスズキや三菱電機との協力をベースに進出する計画ではなかったため、タイ駐在の経験を持つ方の紹介で家電メーカーのSNCフォーマーと合弁のSSMオートメーションを2011年に設立した。SSMオートメーションはエアコンなどの家電向けプレス部品の生産からスタートしたが、いまでは自動車部品50%、家電部品50%の売上構成比率である。杉本氏は、今後、現地パートナーと協力して事業をさらに拡大させたいとしている。

創業100周年に向け永続的な事業展開を目指す

杉本金属工業は大正13年(1924年)の創業だ。創業当時は呼び鈴や箪笥の取手、ひな人形の飾り金具を製作していた(図4)。自動車分野へ進出するキッカケは1943年に日産自動車が吉原市(現富士市)に吉原工場を建設したことだった。その際、県内を中心とする金属加工会社に協力工場の募集がかかり杉本金属工業もそれに応募し、1947年日産自動車の協力工場として自動車分野へ進出した。

図4●創業当時の杉本勇蔵商店(現杉本金属工業)のカタログ
図4●創業当時の杉本勇蔵商店(現杉本金属工業)のカタログ

杉本金属工業は8年後の2024年に創業100周年を迎える。杉本氏は「100周年を一つの節目と考えている。100周年に向けバランスのとれた事業経営を目指していく」と、永続的な事業展開に精力的に取り組んでいる。

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杉本金属工業(株)会社概要/製品説明資料

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